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我が家の近辺ではもう田植えもほとんど終り、水を張った田んぼの中から、カエルの大合唱が聞こえるようになってきた。 カエルの大合唱で、ふと思い出したことがある。 私の長男(仮称・八代目)が幼稚園年長組の時のことである。 2歳年上の長女は、幼稚園年少組のころから音楽教室に通わせ、ピアノに親しんできた。 その影響か、八代目も、年中組のころから音楽教室に行くようになった。 そのころ、その幼稚園では、女の子はかなり多くの子がピアノを習っていたのに対し、男の子はほんの数人だった。 10月になると、運動会があった。 その目玉は、年長組の全園児によるパレードだった。 指揮者がひとり。 キーボードがふたり。 大太鼓もふたり。 小太鼓がおよそ15人。 ほかに、バトンを持った子や、ポンポンを持った子など、全員で音楽を奏で、行進するのである。 長女のときは、実は私はひそかに期待していたのだが、キーボード奏者になってほしかった。が、長女より上手な子が沢山いたらしく、別の子になり、長女は小太鼓だった。それでも結構カッコよくて、写真をたくさん撮ったものだ。 八代目のときは、あまり期待していなかった。ピアノを始めるのが割と遅かったし、上手な女の子がたくさんいたからだ。 だから、八代目も小太鼓かな〜と思っていた。 一学期の最後の日、早い話が、夏休みの前日、わたしが帰宅すると八代目が数枚の楽譜を差し出した。 何かと思って尋ねると、運動会のパレードの、キーボードの楽譜だと言う。 えっ!、おまえキーボードになったの? まさか・・・。 八代目より上手な子は沢山いたはずである。 なぜうちの子が・・・。 理由は分からないが、なぜかうちの子が選ばれたらしい。 もしかしたら、単に、男の子だから、という理由かも知れない(笑)。 楽譜は3枚。 最初が、「園歌」。ようするに、学校でいうところの「校歌」である。幼稚園だから「園歌」。 そして、「かえるのがっしょう」。 もう1枚が、「メリーさんのひつじ」である。 ほかに「ドラムマーチ」があるそうなのだが、キーボードは関係ないので、その楽譜はなかった。 ほかの大太鼓や小太鼓などは、2学期が始まってから練習に入るらしいが、キーボードだけはその時点で演奏できないと困るので、夏休みにビッシリ練習しておいてほしい、と園長先生から言われたそうだ。 おいおい、うちの子で大丈夫なのか〜?と思っても、もうすでに決まってしまったのだから、どうしようもないのである。 その日から、八代目にとって、地獄の特訓が始まったのである(笑)。 と言っても、幼稚園児の集中力なんて、タカが知れてるので、とりあえず、一日30分を目標に、私が練習を見ることにした。 楽譜を見ると、左手はすべて三指による和音(コード)である。 一番簡単な「かえるのがっしょう」から始めることにした。 コードは、C(ドミソ)のみ。 幼稚園児の小さい手でも、なんとか届く。 左手だけなら、一発で合格(笑)。 右手もなんとか弾ける。 でも両手で弾こうとすると、やはりもたつく。初日なんだから当たり前であるが。 それでも、右手だけなら完璧。左手だけでも完璧。というところまで練習して初日を終えた。 右手に意識を集中させると左手が遅れる。 左手に意識を集中させると右手が乱れる。 その繰り返しであったが、徐々に形になってきた。 そして5日目あたりから、「メリーさんのひつじ」もはじめた。 「メリーさんのひつじ」は、CとG(シレソ)のふたつのコードを使う。 今度は、シからソまで指を広げなければならない。 最初は四苦八苦していたが、なんとか押さえられるようになってくるから、たいしたもんだ。 一曲だけでは飽きてくるので、2曲を交互に練習するのは割と効果的のようだ。 そしてその2曲が何とか形になってきたある日、いよいよ「園歌」に挑戦である。 コードはさらに増えて、CとGとF(ドファラ)。 これがかなり頻繁に変わる。 幼稚園児にはちょっとツライかも・・・、という内容だ。 だが、心を鬼にして弾かせた。 子供も辛かったろうが、トウチャンも辛かったのだ。 八代目は半べそを掻(か)きながら弾いた。 何度も何度も弾いた。 その甲斐あって、夏休みが終わる頃には、3曲とも、パーフェクトに弾けるようになったのである。 パチパチパチ・・・。 偉いぞ、八代目。よくやった。 2学期が始まって、運動会の練習の時、先生方は、八代目の成長振りに目を見張ったらしい。 あんなヘタクソだったのが、よくぞここまで・・・、といったところだろうか。 これなら、もう大丈夫。と思った私は、ある日八代目にちょっとしたイタズラを教えた。 「かえるのがっしょう」を弾く時に、鍵盤をふたつずらして弾いてごらん、と言ったのである。 右手は、親指を「ラ」のところに置いて、左手は「ドミソ」を「ラドミ」に移動してひくのである。 要するに、ハ長調のものを、イ短調で弾くのである。 ド〜レ〜ミ〜ファ〜ミ〜レ〜ド〜 を ラ〜シ〜ド〜レ〜ド〜シ〜ラ〜 と弾くのだ。 どう?、ちょっと悲しい感じになっただろう と聞くと、八代目はもう一回弾いてみて、 あ、ほんとだ。これは悲しいカエルの合唱だ、 と言った。 翌日、帰宅すると、八代目から報告があった。 「悲しいカエルの合唱」は、幼稚園で大人気だったという。 あちゃー、やっちまったぁ・・・。 私は家の中の、その時だけの遊びのつもりで教えたのだが、八代目は、新しく知ったその曲を、数人の友人に披露して聞かせたらしい。 それはそうだよな。子供は新しいことを知ったら、みんなに教えたくなるのは自然のことだもんなぁ。これはわたしが悪かった。 それでね、○○ちゃん(女の子)がしょんぼりしてるから、どうしたのって聞いたの。 そしたらね、「悲しいカエルの合唱」を聞いたら本当に悲しくなっちゃったんだって。 ごめんね〜、○○ちゃん。み〜んなこのオヂサンが悪いんだよ。 もう泣かないでね。 |
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タイトルだけだと何のことやら、だったけど、こんなお話でしたか。 |
alpha echo 2005/06/28 23:48 |
大塚康生さんが出ていたのですか?!わわ〜、見たかったなや。 |
七代目 2005/06/29 00:21 |
しってるしってる〜〜^^ |
3km 2005/06/29 09:56 |
かなしいキラキラ星ですか(笑)。モーツァルトもびっくりですね(この意味判るよね)。八代目はあのあと悲しいメリーさんのひつじを弾いていたけど(笑)。 |
七代目 2005/06/30 02:04 |
「Reading Baton」なるものが回ってきました。 |
3km 2005/07/01 10:16 |
3kmさんの頼みじゃ無下に断れないので、一応次の記事で書きました。が、ご希望に副えるような記事ではありません。ごめんなさい。 |
七代目 2005/07/02 00:42 |
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