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今回の、この偕成社版アルセーヌ・ルパン全集 「オルヌカン城の謎」 は、ルパンものにしては非常に珍しい、本格戦記ものである。 原題は、 L’ECLAT D’OBUS eclat は、破片・爆音・輝き などの意味がある obus は、砲弾。 通常は、「砲弾の破片」と訳される。 訳本の題名は、 独仏国境付近にある、オルヌカン城とその周辺を舞台にした物語なので、こう名付けられたものと思われる。 でも、この「砲弾の破片」も、非常に意味深で、主人公の妻の生死に関わるキーワードでもある。 ただ、ルパンがなかなか登場しない。 主人公のポールがルパンなのかな、などと思ってしまうほど、ポールが大活躍するのだけど、それにしては生い立ちが違いすぎるし、いったいいつになったらルパンが出てくるんじゃーと、少しばかりイライラする(かもしれない)。 ルパンが登場するのは、ストーリー全体の、約3分の2ほど進んだところである。 しかも、数ページだけ。 それ以降も出て来ない。 登場した数ページにしても、それほど重要なことをする訳でもなく、主人公ポールにヒントらしいことを話すだけなのだが、それにしても、ポールの性格を考えれば、そんなヒントはなくても大丈夫だろう、と思うことがらである。 で、私なりの結論というか感想。 この本においては、 ルパンは登場する必要はなかった。 ↓ ルパン全集に入れる必要はなかった。 ということですかな。 これは、独立した、本格戦記ものとして十分価値ある作品です。 |
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