|
in a galaxy far, far away. . . というほどでもないけど、 はるか むかし・・・ ダース・ベイダーが死ぬより もっと むかし 旧校舎が 取り壊されようとしていた My 音楽 WARS エピソード Y オーボエの帰還 Return of the Oboe 校長先生が予算を大幅にアップしてくださったおかげで、かなりの数の楽器を手にした我が吹奏楽部だったが、それでも絶対数が不足だった。 足りない分は、旧校舎の旧音楽室に眠る、お古の楽器を使用することになり、土曜日の午後を利用して、その発掘作業(笑)をすることになった。 旧音楽室は物置と化していた。木製の古い机や椅子が幾重となく重なり、どこに楽器が眠っているのか分からないほどだ。 それらの机や椅子を、まず廊下に運び出し、蝶番のネジが緩んで外れそうになっている壁際の扉を開けると、かびの臭いとともに多数の楽器ケースが目に入ってきた。 驚いたのは、多数のバイオリンが出てきたことだ。20以上あっただろうか。 それからベルの潰れたトランペット。 同じくベルの潰れたユーフォニウム。 ネジがはずれてキーがバラバラになっているクラリネット。 などなど。 使えそうな楽器だけでなく、どう見ても修理不能と思えるようなものまで、楽器と名の付くものは、とりあえずすべて運び出した。 旧校舎の取り壊しが間近に迫っていたからである。 バイオリンがたくさんあった理由は間もなく分かった。 職員室にあった昔のアルバムを見ると、オーケストラの存在を現す1枚の写真があったのだ。 それは校舎の2階から校庭を撮ったもので、おそらく朝礼の場面だと思うが、生徒がずらりと並んで朝礼台のほうを見ている。その朝礼台の脇に、バイオリンを弾いているたくさんの生徒の後ろ姿があった。 我が校には昔オーケストラがあった! この事実は私を興奮させずにはおかなかった。 旧音楽室から出てきたのは、多数のバイオリンと4台のコントラバス。 しかし不思議なことに、ビオラとチェロはひとつもなかった。 木管楽器では、オーボエが出てきた。 ネジが何本かはずれているらしく、キーリングが正常に作動しない。 リードもない。 Esクラリネットも1本あった。 ただしこれは本体に亀裂が入っていて、おそらく修理不能だろう。 ファゴットはなかった。 金管楽器のほとんどは、ベルがつぶれて、サビだらけだった。 数箇所凹みがあるスーザフォンがひとつ。 古びた譜面台が10数台。 それらの楽器を各自数往復して、すべて新校舎4階の音楽室まで運んだのである。 予算がなく、楽器店に修理に出すことは出来なかったので、生徒レベルで直せるものだけを使い、修理できないものは、とりあえず音楽準備室の棚に置かれることになった。 オーボエは、そこで半年ほどを過ごした。 たかが半年とはいえ、毎日吹奏楽に関わっていると、自然といろいろな楽器に興味を持ってくる。 オーケストラにはあるが、我が吹奏楽部にはない、オーボエとファゴットの音色に私は興味を持つようになっていった。 壊れてはいるが、我が校にはオーボエがある。 壊れてはいるが、我が部にはオーボエがある。 音楽準備室には、オーボエが眠っている。 秋も深まったある土曜日の午後、私はオーボエの修理をこころみた。 部の予算がもうないので楽器店に修理に出すわけにいかないから、自分で直してみようと思ったのである。 楽器ケースのなかのオーボエは、ビスが数本抜け落ちて、キーリングがいくつかはずれていた。 タンポも2ヶ所取れてなくなっている。リードケースの中にはチューブ(リードを取り付けるための部品)がふたつ。リードはなかった。 まず、バラバラになって手付かずの状態の古いクラリネットから、ビスを拝借して、オーボエに合うかどうか試してみた。 ビスはネジ径さえ合えば大丈夫なので、一応クリア。 キーリングの線バネは生きていた。 次に、取れてなくなっているタンポを、クラリネットのものを流用しようと試みた。 が、残念ながら、径が微妙に合わない。当たり前といえば当たり前であるが・・・。 そして、これが素人のあつかましさというか無謀というか、プロの人がいたらカンカンに怒るであろうことをやったのである。 オーボエのタンポより少し大きいクラリネットのタンポを探し出し、それをオーボエに合うように、カッターナイフで切ったのである。しかも、無知であるがために、大胆にも、巻いてあるフィッシュスキンごと切りきざんでしまったのである。そしてそれをセメダインで接着したのである。^^; プロの人、および、楽器屋さんは読んでないよな、このブログ・・・(汗)。 まぁ、35年も昔のことだから、もう時効ということで(笑)。 これで一応本体のほうは使えそうな感じになった。 ただし、実際に吹いて音を出してみないことには、本当に使えるかどうか分からない。 しかしリードはない。 翌日の日曜日、私はオーボエのリードを求めて、市内の某楽器店へ行った。家から一番近いが小さな楽器店である。 店内にはギターがところ狭しと並べられ、ほかにキーボードが数台、ドラムセットが1台。あとはコマゴマとした備品や学校で使うリコーダーなどが入ったガラスケース、ピアノピースや教則本が並べられた本棚がある程度。管楽器はトランペットとサキソフォーンが各数台展示されてある程度の、小さな楽器店である。 オーボエのリードはほぼ間違いなく置いていないだろう。 あの当時、オーボエを持っている学校は、市内では高校が2校のみで、中学はどこも持っていなかった。 それでも一応聞いてみる。 「あの、オーボエのリード、ありますか」 店主は一瞬絶句する。そして声を絞り出すように、 「取り寄せになりますが・・・」と言う。 「あの、1本いくらですか」 自分のポケットマネーから出すつもりなので、これが一番重要なことなのである。 店主は何か冊子のようなものをパラパラめくって、今度は逆に質問してきた。 「完成品ですか、それとも材料のケーンでいいの?」 「えと、完成品はいくらですか(っていうか、ケーンって何だ?)」 「ん〜、完成品は1本800円ね」 「じゃそれ1本取り寄せてください」 それから5日後、私は真新しいオーボエのリードと、オーボエ教則本を手に入れた。 家に帰り、教則本をパラパラとめくり、リードのくわえ方を憶える。しばらく口の中に入れて唾液で湿らせやわらかくした後、おもむろに音を出してみた。 スカ〜・・・。 音が出ない。 もう一度息を吹き込む。 スカ〜・・・。 音が出ない。 今度はもうちょっと強くくわえて息を吹き込む。 ピーョ おお!音が出た! でもレコードで聴いたクラシックの曲のオーボエの音とはほど遠い。 もちろん本体なしで、リードだけなのだから仕方がないが。 ピーョ・・・ピーョ・・・ なるほど、こうやって音を出すのか、と分かってきた。 早く明日にならないかな、とワクワクしながら眠りについたのである。 翌土曜日。 通常の練習が終わったあと、音楽準備室からオーボエを持ってきて、いよいよ実験である。 同級生でクラリネット担当のK子さんからコルクグリスを借りて、上管・下管・ベルを一本につなぐ。 そして買ったばかりのリードを差し込み、緊張しながら息を吹き込んだ。 ♪〜。 おぉ、音が出た! ただし、単に音が出たというだけで、ピッチだとか音色だとか言う以前の音である。 でも音が出たのだから、練習すれば使えるかもしれない。 まず、下のCから吹いてみる。 押さえ方は昨日教則本を読んで頭にインプットされている。 C〜・・・のはずが、音が出ない。吹きづらい。 仕方がないので、Gを吹く。 今度は音が出た。 G〜F〜E〜D〜C〜・・・と下がっていくと今度はちゃんとCの音も出た。 続いて上に上がる。 C〜D〜E〜F〜G〜A〜H〜H〜・・・あれっ? Hの上のCが出ない。 教則本を見直して、本のとおりに指を押さえているのに、CにならずにHのままである。 おかしい。 やはり壊れているのか・・・。 いろいろ調べた結果、恐ろしい事実が判明した。 この学校のオーボエは、教則本に載っているオーボエと、キーのつながりやトゥリルキーの数が違うのである。 通常のオーボエは、上のCを出すにはHの押さえ+右手の第一指を押さえるのだが、この学校のオーボエは、H+右手のトゥリルキーという、教則本にも載っていない変則的な押さえ方なのである。 いわゆるプロモデルではなく安価なスクールモデルなのだろうけど、なんとも奇妙なオーボエであった。 オーボエの練習は、通常の練習が終わった後、自主的におこなった。 しかし10日もすると、リードの先端にヒビがはいってしまった。 クラ担当のK子さんに聞くと、彼女らは6枚のリードを用意し、月曜日用〜土曜日用として交互に使っているというのだ。そのほうが、毎日同じものを使うより長持ちするそうだ。 そこで私は(泣く泣く)大奮発して、完成リード2本と、材料の舟型ケーン(1枚100円)を10枚買ってきた。自分でケーンを削ってリードを作ろうとしたのである。 リードケースに残っていた古いチューブが2本あったので、見よう見まねで作ったのである。 工作は小さいころから得意で、鉛筆なども小学校低学年のころからナイフ(肥後の守)で削っていた。といっても、鉛筆削り器を持っていなかったワケではない。ときにはそれを使うこともあったが、ナイフで削るのが好きだったのだ。プラモデルもよく作った。 だから自分でリードを削ることに関しても、まったく違和感はなかった。 もちろん最初は失敗ばかりで、なかなか音が出るリードにはならなかった。 削りすぎると困るので、少しずつ削るのだが、部分的にちょっと削りすぎたりして何枚もダメにしてしまった。 それでも3本ほど、なんとか使える感じにはなった。 それを完成品と交互に使用して、しばらくはそれで練習したのである。 私は、とりあえずパーカッションのメンバーとして活動しつつ、オーボエも少しずつ練習して、いつしかオーボエ担当になりたいと思っていた。 3年生が引退して、パーカッションのメンバーが私と2年生の男子の2名だけになってしまったので、移るに移れなかったという事情もあった。 そして、春。 待望の新入生が入部してきた。 しかし、パーカッションに配属されたのは1名だった。 一応本人が希望する楽器に配属されるのだが、小学校にもあった打楽器よりも、今まで見たことのない管楽器に人気が集中してしまうのもやむを得ないことだった。 で、しばらくはその3人で、バスドラ、スネア、ティンパニーを交互に担当することになってしまった。 一学期の中間テストと期末テストのちょうど中ほどの時期に、第1回定期演奏会がおこなわれた。 まだまだ人様にお聞かせ出来るような演奏ではなかったので、学校の体育館を使って、聴衆は先生・生徒および父兄だけであった。 一年ちょっとで、ここまで演奏できるようになりました、という感じの、小さな演奏会であった。 私はそれにはパーカッションで参加した。 演奏会は4部構成で、第1部はマーチ。 第2部は各パート別楽器の紹介。 第3部はクラシックミュージック。 第4部はポピュラーミュージックで、合計で10数曲披露したのだった。 評判はわりと良かったようで、その直後、数名の入部希望者があった。 その中に、なぜか3年生がひとりいて、その人はパーカッションの担当になった。 それにより、私はようやくオーボエの担当として活動できるようになったのである。 顧問のT先生は、私に最前列のクラリネットとフルートの間に座るように指示したが、私ははにかんで2列目のサキソフォーンのK君のとなりに座らせてもらった。 なにしろクラとフルートは全員女子だったので、なんとも恥ずかしかったのである。ウブだったなぁ(笑)。 * * * 3年生になったある日、私は群馬交響楽団のオーボエ奏者のかたのレッスンを受ける機会を得た。 その練習場に学校のオーボエを持っていったのであるが、その先生も、この奇妙な押さえ方をするオーボエにかなり戸惑っているようだった。 今、母校にそのオーボエがあるかどうかはわからないが、私が卒業したあとも数年間は後輩が使っていたという話しは聞いた。 ![]() エピソード Y オーボエの帰還 Return of the Oboe 終 [ シリーズ ] エピソード4 新たなる希望 エピソード5 初めてのクラシック エピソード6 オーボエの帰還 エピソード1 セカンド・リコーダー エピソード2 初・舞・台 エピソード3 鼓笛隊 |
| << 前記事(2005/12/24) | トップへ | 後記事(2006/01/01)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
セカンド・リコーダー(My音楽WARS ep-1)
A Long time ago, in a galaxy far, far away. . . ...続きを見る |
七代目孫左衛門 2006/08/20 12:10 |
初・舞・台 (My音楽WARS ep-2)
A Long time ago, in a galaxy far, far away. . . ...続きを見る |
七代目孫左衛門 2006/08/21 00:29 |
My音楽WARS (ep4-新たなる希望)
A Long time ago, in a galaxy far, far away. . . ...続きを見る |
七代目孫左衛門 2006/09/21 01:13 |
鼓笛隊 (My音楽WARS ep-3)
A Long time ago, in a galaxy far, far away. . . ...続きを見る |
七代目孫左衛門 2006/09/21 01:43 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
七代目さん,メリー・クリスマス♪ |
しゅー 2005/12/24 17:47 |
しゅーさん、メリーXマス。コメントありがとうございます。 |
七代目 2005/12/25 03:34 |
おおお、無謀にもご自身で荒修理(!!)したですか〜。すげぇ〜!!パチパチ |
篠宮れい 2005/12/26 00:42 |
ほほう、れいさんも掛け持ちをしたとですか〜。 |
七代目 2005/12/26 01:47 |
マンガも描けるし楽器もできるしヤマメも食べ、いや、育てる七代目さんは、やっぱスゴイと改めて認識! |
トースケ 2005/12/31 17:03 |
今年も残り5時間半になりました。御無沙汰しています。今日は仕事じゃないですよね。ひょっとしたら仕事かな・・・今年はお世話になりました。オフ会以来御無沙汰しています。来年もよろしくお願いします。良い年をお迎えくださいね。 |
ブルーグラス 2005/12/31 18:36 |
今年も残り4時間となりました!(^^)! |
花猫 2005/12/31 20:10 |
トースケ様 |
七代目 2006/01/01 01:48 |
| << 前記事(2005/12/24) | トップへ | 後記事(2006/01/01)>> |