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in a galaxy far, far away. . . というほどでもないけど はるかむかし・・・ 穴金少年がポッドレースに出るより もっとむかし・・・ わたしは 音楽の面白さを知りはじめていた セカンド・リコーダー Second Recorder 古い木造校舎の東の端にある下駄箱のわきから、南側へ渡り廊下があり、平屋建ての東校舎へ入る。 順に、理科室、理科準備室、家庭科室、そしていちばん奥に音楽室があった。 当時の我が小学校は、全クラスに足踏みオルガンが置いてあり、音楽の授業は1・2年生は担任の先生がそのオルガンを使っておこない、3年生以上は音楽室において、専門の音楽教師により指導を受けていた。 1学期の終わり近くになると、5年生はそわそわし始める。 秋の大運動会のフィナーレを飾る『鼓笛隊』の練習が始まるからだ。 我が小学校の鼓笛隊は、5・6年生全員によるもので、毎年の恒例行事になっていて、近所の人もこれを楽しみに運動会に足を運ぶほどである。 私が初めてこの鼓笛隊パレードを見たのは1年生のときだった。 運動会は9月の最終日曜日におこなわれ、1・2年生は午前中だけですべてのプログラムを終え、昼食は応援に来た家族とともに校庭にござを敷いて食べた。 午後の競技は、4年生の姉の出るものだけを見て、あとは友だちと校庭のすみで遊んでいた。 そのうちに場内で笑い声がしてきたので何かと思い覗いてみると、先生とPTA役員のオバさんたちが、障害物競走のようなことをやっていた。 担任の先生が走る姿を見て皆で大笑いしていると、傍らを上級生が笛をピーヒャラ吹きながら通っていった。 そのうち、西側の体育館の方から笛や太鼓の音が聞こえてきた。 上級生がどんどん集まっている。 なにが始まるのか分からないまま、じっとそちらを見ていると、いつの間にか母が横にきて、ほら鼓笛隊が始まるよ、来年はおねぇちゃんも出るからね、とささやいた。 初めて見る鼓笛隊は、あたまがクラクラするほどカッコイイものだった。 大きいバトンのような指揮棒をかっこよく上下させて指揮者が堂々と胸を張って通りすぎると、そのすぐ後ろに16名からなる鼓隊が続く。すこし間隔をあけて笛を吹きつつ200名の笛隊が通る。 グラウンドを一周すると、その後はフォーメーションを変え、2列になったり4列になったり、交錯したり輪になったり、曲を演奏しつつ行進する鼓笛隊に私は夢中になった。 わら半紙にガリ版で印刷された楽譜が6〜7枚配られた。 その第1枚目は『錨を上げて』である。 毎年、この曲での行進から始まる。 まず先生が音階でメロディーを歌う。 ドーーーミーソーラーーミラー・・・・・・ 毎年聞いている曲なので、みんなよく分かっている。 次いで、全員が先生の指揮のもと、いっせいにリコーダーを吹く。 初めてだけど、なぜか皆うまい。 4年生のころ、上級生のまねをして吹いたことがある生徒がかなりいるのである。 何度か繰り返し練習していると、どこかで違う音が混じっていることに気が付いた。 みんな同じ音を出しているはずなのに、誰かが違う音を出している。 それは私のとなりに座っている女の子だった。 なに吹いてるんだ、間違ってるじゃねえか。 そう思ったが、不思議なことに不協和音ではない。 むしろイイ感じだ。 ???と思いつつ、声をかけた。 なに吹いてんの? 彼女の答えは私の想像を絶するものだった。 「下のメロディー吹いてるの」 下? 下ってなに? これ。 この1stの下に2ndってゆうのがあるでしょ。 私たち合唱部員は先生から下のメロディー吹くように言われてるの。 楽譜をよく見ると、今自分たちが吹いている1stのメロディーのほかに、2nd・ベル・大太鼓・中太鼓・小太鼓・シンバルなど、数段に書かれている。 私は4年生のときの音楽の授業を思い出してハッとなった。 器楽合奏の授業だった。 曲は『アマリリス』。 まず全員でリコーダーを吹く。 次に全員でハーモニカを吹く。 両方何度か練習したところで、先生がこう言った。 ピアノを習ってる人は、そちらのオルガンを弾いてください。 音楽室には12台の足踏みオルガンがあった。 4人の生徒がオルガンの前に座った。 それから鉄琴を弾きたいひとはいますか。 誰も手を挙げなかった。 すると先生は、オルガンの前に座ったSさんにメロディーを弾くように命じ、自ら鉄琴を弾いてみせた。 主旋律とはかけ離れたメロディーで、とても難しそうだったが、あのキンカラキンカラした音が私はいたく気に入ってしまった。 2度弾いたあと、先生はもう一度言った。 はい、これを弾きたい人? 私はサッと手を挙げた。 手を挙げた生徒は私のほかに女子がふたりいた。 先生はまずそのうちの一人を指名して、自らピアノで伴奏をした。 が、その子はうまく弾けなかった。 入り方がよく分からなかったのである。 主旋律は、 ソ・ラ・ソ・ド・ソ・ラ・ソー というものだが、 鉄琴は、最初の6拍を休んで、七拍目のソーと伸ばす2分音符のところから、8分音符で ソファミレ・・・ と入るのである。 2度入るのを失敗した後、先生はもうひとりの女子を指名した。 が、その子はしり込みをしてしまって出てこなかった。 最後は私の番だった。 私はうまく入ることが出来た。 その後のメロディーも無事に弾くことができた。 出来ることは出来たが、まぐれだったと言ってもいい。 なにしろ、鉄琴のメロディーを弾くのに精一杯で、主旋律など聞いていなかったのだから。 頭の中はこうだ。 (ソ・ラ・ソ・ド・ソ・ラ)ソファミレ/ドーーーミーーー/ソーーードレミファ/ソーーー(1・2/3・4)ソファミレ/ドーーーミーミファ/ソーーファミーーー (1・2・3・4)というのは、4拍休みという意味である。これは先生が見本を弾きながら、そう歌ったので憶えていたのである。 自分ではこれを弾くのが精一杯で、主旋律など、まったく聞く余裕はなかったのだ。 でも奇跡的に合った(笑)。 この奇跡的に合ったメロディーに感激しつつ、自分は皆と違うことをして曲に参加していることが、ものすごく誇らしかった。 そうだ。おれも2ndのメロディーを吹こう。 おれもこっち吹いていいだろ? となりの席に座った合唱部のM子さんにこう言うと、私はff(フォルティシモ)で2ndのメロディーを吹いた。 なにがカッコイイか、というと、 皆が、ドーーー と伸ばしているところで、 ドーシーラーソー と下りてくるところがカッコイイ。 1st ドーーーミーソー/ラーーミラーーー/ドーーーレーソー/ドーーーーーーー 2nd ドーーードードー/ミーーミミーーー/ソーーーソーソー/ドーシーラーソー まあ、その後もカッコイイところがたくさんあるのだけど、とにかくそのドーシーラーソーが痛く気に入ってしまったのである。 『アマリリス』にしろ『錨を上げて』にしろ、私は主旋律よりも2nd、あるいはウラメロディーなど、俗に言う『内声』に興味を・・・ あ、俗には言わないか。 音楽の専門用語である『内声』に興味を持つようになっていったのである。 中学・高校時代も、合唱の授業では、いつも必ず下のメロディーを歌っていた。テノールではなく、バリトンかバスだった。 もし私が弦楽器を習ったとしたら、99%の確率でビオラを選んだことだろう。残りの1%は2ndバイオリン(笑)。 そんな私が中学の吹奏楽部で、ソロ楽器であるオーボエを選んだのは誤算だったかも知れない。 でも、それはそれ、これはこれである(笑)。 二学期が始まって一週間もすると、すぐに鼓笛隊の練習が始まる。 最初の行進のとき、私のとなりは6年生の男子だった。 セカンドを吹くのは合唱部の20数名と私だけ。 その30名足らずで、残り190名余りと対抗するのである。 音楽室で吹いていたときの強い味方だった合唱部のM子さんとは離れ離れだった。 錨を上げてが始まる。 第4小節。 皆がドーーーと伸ばしているところで、ドーシーラーソーと下がると、 隣にいた6年生が、リコーダーをくわえたままこちらを向いて、 こいつ、何吹いてんだ? という顔でにらんだ。 おれはセカンド吹きだい! 心の中で強く思って、 6年生の視線を無視して、 わたしは自信を持ってセカンドのメロディーを吹き続けた。 ![]() エピソード T セカンド・リコーダー 終 <1st シリーズ> エピソードW あらたなる希望 エピソードX 初めてのクラシック エピソードY オーボエの帰還 <2nd シリーズ> エピソードT セカンド・リコーダー エピソードU 初・舞・台 エピソードV 鼓笛隊 |
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七代目孫左衛門 2006/09/21 01:43 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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おこんばんわ〜。 |
篠宮れい 2006/08/20 23:22 |
そうそう、ハモリは一度やったら病み付きになりますねぇ(^^) |
七代目 2006/08/21 00:58 |
読んでいて「分かる分かる」と頷きました。 |
炒りたまご 2006/08/21 17:08 |
おお〜、元合唱部の炒りたまごさんもハモリ好きですか〜。 |
七代目 2006/08/22 01:38 |
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